世界各国で蔓延しているコロナウィルス(Covid-19)。まだまだ入国に制限を設けている国がほとんどですが、EUでは、隔離措置なしで観光目的の渡航を受け入れようという動きも目立ってきています。ここタイでもプーケットにて隔離制度を緩和して、観光目的の渡航者を受け入れる準備が始まっています。7月1日から受け入れ開始をする予定の「サンドボックス」。その制度がどのようなものなのか、説明します。
プーケット・サンドボックスとは?
タイ南部プーケットでは2021年7月1日より、「プーケット・サンドボックス」と呼ばれる形により、外国人の入島を隔離検疫不要で受け入れる事がタイ国政府観光庁(TAT)より発表されました。

新型コロナウイルスワクチンを完全に接種した外国人旅行者を、隔離検疫なしで受け入れるシステムのことです。外国人旅行者は、プーケットで7日間を過ごした後、自由にタイ国内を移動できるようになる予定です。プーケットからタイに入国すると、ホテルの強制隔離(ASQ)を経験せず、バンコクやチェンマイなど他の都市への移動もできようになります。
プーケット到着後のスケジュールイメージ
- 1-4日目 :観光客は自由にプーケット内を移動することが可能です。
- 5日目 :新たにPCRテストを行う必要があります。
- 6-7日目 :(前日のPCRテストで陰性であれば)ピピ島や、パンガー湾などプーケット島外の日帰り旅行が可能になります。
- 8日目 :バンコク等、タイの他県への移動が可能です。
6月7日、他県へ移動するにはプーケットにて14日間の滞在が必要となりました。詳しくはこちらより確認できます。
タイ出国・帰国に際して
プーケット滞在に対する必要最低な日数などは、いまのところございません。プーケット空港利用の場合、事実上行き来が自由になります。
- タイ滞在が7日間より短い滞在の場合は、プーケット国際空港からのみ出国が可能です。
- タイ滞在が7日間より長い滞在の場合は、バンコクから飛行機で出国することも可能です。
つまり、7日間より短い滞在、例えば2泊3日でもプーケットに滞在は可能となります。

6月7日、他県へ移動するにはプーケットにて14日間の滞在が必要となりました。詳しくはこちらより確認できます。
プーケット・サンドボックスが適用となる条件

成人(18歳以上)の場合
自国出国前にワクチンを1年以内で渡航日より14日以上前に、完全に接種した人物が対象となります。(完全とは2回もしくは医学的に十分な回数)
子供(12〜17歳)の場合
プーケット渡航前のワクチン接種は不要。プーケット国際空港で迅速抗原検査を受ける必要があります。(迅速抗原検査は自費:約1,200~1,500バーツ)
子供(12歳未満)の場合
両親/家族と一緒に旅行する場合、テストは必要ありません。プーケット国際空港での迅速抗原検査も不要です。
共通の条件
- 乗客全員が、飛行機搭乗時間の72時間前までに発行されたPCRテストの陰性証明を、出発地の空港にて提出する必要があります。
- 全ての観光客は、旅程または「訪問計画」を提示し、「Thailand Plus」というアプリケーションをインストールして、滞在中の場所を共有する必要があります。
- プーケット国際空港に直接到着した方のみの限定対象となります。(バンコク等の国際空港からの経由は対象外です。)
その他観光客以外の条件
- ホテルやレストラン等、プーケットでお客様を受け入れる施設は全て、タイ国政府観光庁のSHA(安全衛生管理)スキームによる認定が必要です。
- ホテルやレストラン等、プーケットでお客様を受け入れる施設のスタッフは各施設の70%の社員が完全なワクチン接種を完了している必要があります。
- サンドボックス開始前までに、プーケットの全住民の70%以上は完全なワクチン接種を完了している必要があります。

プーケットへ直行便・フライト一覧
以下の航空会社がプーケット国際空港と各地を結ぶ直行便を運航する予定です。
※6月1日現在時点。今後変更の可能性があります。
タイ航空

週一便:フランクフルト、ロンドン、コペンハーゲン、パリ、ソウル、シンガポール、ニューデリー(東京の可能性あり)
エミレーツ航空

毎日:ドバイ
シンガポール航空

週6日:シンガポール
カタール航空

週1日:ストックホルム、オスロ、パリ、ワルシャワ、ウィーン
ブリティッシュ航空

毎日:ロンドン(ドーハ経由)
香港航空

まだ具体的なスケジュールは発表されていませんが、直行便が就航する予定となっています。
エバー航空

週3日:台湾
大韓航空

毎日:ソウル
ジン航空

毎日:ソウル
キャセイパシフィック航空

毎日:香港
プーケット渡航に必要なもの
- PCR検査の陰性証明(飛行搭乗時間の72時間前以内に発行)
- (完全なる)ワクチン接種を完了したことを証明できる書類 (接種日が出発から起算して14日以上経過している条件)
- 必須アプリケーションのインストール
現在明確に記載のあるものは「Thailand Plus」のみとなっており、その他、現在インストールや登録が必須の「Mor Chana-モーチャナ-」や、「Go Phuget-ゴープーゲット」が不要なのかは明確ではありません。念の為に、事前にインストールしておいた方が良いかもしれません。
日本人旅行客が利用するためのルート
①日本からプーケット島への直行便があれば可能。
②上記のフライトのいずれかを利用し、日本から第3国で国際線を乗り継ぎプーケット国際空港へ直接到着する航空便を利用。
※第3国は隔離検疫なしで、国際便の乗り継ぎを許可する空港である必要あり。

まとめ
2019年には4,000万人にのぼる外国人が訪れた観光立国タイ。観光産業はタイのGDP(国内総生産)の約2割を占めており、外国人観光客により形成されていたため、タイの経済はコロナウィルス(Covid-19)の影響により大打撃を受けています。プーケット・サンドボックスも、いち早く観光立国としての経済回復を目指した策の1つです。タイのコロナウィルス感染者数は、まだまだ増え続けているのが実情ですので(2021年6月1日現在)、サンドボックスも延期にならないか懸念されています。サンドボックスの開始に合わせて、タイ航空がヨーロッパ便の販売を開始もしています。日本からの観光客というよりは、ワクチン接種の進んでいるヨーロッパからの観光客を回復させるのが大きな狙いでしょう。開始予定日まであと1ヶ月ですが、まだまだ具体的ではない箇所も多いです。日本からプーケットへ自由に観光で行けるようになるのは、まだ先かもしれません。
6月7日のアップデート
6月4日のタイ経済情勢管理センター(CESA)に於いて、プーケット・サンドボックスの制度は、プラユット首相より正式に承認されました。その発表により、上記の情報よろ一部変更が発生しています。
他県へ行くには14日間の滞在が必要
7日間を過ごしたら、自由にタイランド国内を移動できるという制度でしたが、外国人旅行者が、プーケット以外のタイ国内を自由に移動するには、プーケットで14日間を過ごす規則に変更となりました。
14日間の滞在スケジュールイメージ
- 1-4日目 :観光客は自由にプーケット内を移動することが可能です。
- 5日目 :新たにPCRテストを行う必要があります。
6-7日目 :(前日のPCRテストで陰性であれば)ピピ島や、パンガー湾などプーケット島外の日帰り旅行が可能になります。- 6-14日目 :(前日のPCRテストで陰性であれば)ピピ島や、パンガー湾などプーケット島外の日帰り旅行が可能になります。
8日目 :バンコク等、タイの他県への移動が可能です。- 15日目 :バンコク等、タイの他県への移動が可能です。
タイ出国・帰国に際して(変更後)
タイ滞在が7日間より短い滞在の場合は、プーケット国際空港からのみ出国が可能です。- タイ滞在が14日間より短い滞在の場合は、プーケット国際空港からのみ出国が可能です。
タイ滞在が7日間より短い滞在の場合は、プーケット国際空港からのみ出国が可能です。- タイ滞在が15日間より長い滞在の場合は、バンコクから飛行機で出国することも可能です。
15日より短い滞在でもプーケットには滞在可能です。2泊3日でも引き続き旅行は可能です。
新たに明らかになったこと
- 新型コロナウイルスの低・中リスク国からの渡航であることが条件。
- 旅行者は自国でワクチン接種を受けたことを証明する書類を持っている必要があります。
- 接種したワクチンはタイの法律に基づいて認証されているか、世界保健機関(WHO)の認証を受けている必要があります。
- 自国のタイ大使館からVISA(必要あらば)とCOE(入国許可証)を取得が渡航には必要
※6月7日時点の情報です。プーケットサンドボックスに関しまして、事前の告知もなく変更されることもあります。性格な情報に関しましては、ご自身で領事館等へお問い合わせください。